WMGをする人
2019/12/11
11月25日(月)~28日(木)「ワールドマスターズゲームズ2021」テニス競技リハーサル大会が開催(会場 アオノテニスクラブ&ブルボンビーンズドーム)。下は「30歳以上」、上は「75歳以上」という幅広いカテゴリーで試合が行われました。兵庫県の参加者では、男性の最高齢が77歳!神戸市在住の大﨑一雄さんでした。大﨑さん、「男子75歳以上」の部で、1時間半にも及ぶ激闘の末、準優勝されました。試合直後に、お声をかけてみると…
清水 お疲れさまでした。どうでした、今日は。
大﨑 今日は疲れましたね。いつもええとこまでいくんですけど接戦して負けるんです。
清水 ようボール拾ってはりましたけどね。
大﨑 いっつもあのパターンなんです。相手は、レシーブしたらすぐ前へ出てきてね。ストロークだったら私、負けないんですけどね(笑)。相手はボレーとスマッシュが上手やから。私の得意はストロークで。いろいろ作戦考えながらやったらいいんでしょうけど、なかなか相手の作戦以上のことができなくって。
清水 ちなみに、大﨑さんのプレースタイルは?
大﨑 スライス(後回転などをかけてバウンドの低いボールを打つこと)のボールなんですね。それしかない。“スライスの大﨑”いうのは、そこそこ有名なんですけどね(笑)。それしか打てない。ほかは、フラットやドライブ、スピン、いろんな球種の球を打つ人いるんですけど。
清水 テニスはどれくらいされてるんですか?
大﨑 本格的にし始めたのは、やっぱり年いってからですよね。60歳まで仕事してましたから。学生の時は本格的なテニスはやってなくて、社会人になってからやったというような感じで。今日みたいな大会で日本各地を回ってし出したのは、60歳過ぎてからですよね。もうちょっとテニスを極めたいなと思って、定年後、とにかくテニステニス。そこから、だんだんと自分のテニスプレーができていったいう感じですよね。
清水 大﨑さん、見てましたが、動きが軽やか!
大﨑 まぁ、フライ級ですから。
清水 フライ級?
大﨑 フライ、ヘビーのフライ級!ほんとは、もうちょっと体力とか肉を付けたいんですけど、なかなかつきませんね。長いことやってると、若い時は、遙か彼方の名選手とか、私ら雲の上の存在やった人は、ちょっとずつ体力とか技術とか落ちてくるもんもある。で、私らはちょっと近づいてきたんかなぁいう感じはしますよね。
清水 60歳超えてから?
大﨑 60歳超えてから。テニス仲間で全日本で活躍してた人ともゲームやったら今、そこそこのゲームもできる。時たま勝つことも、ありますよね。
清水 それ、ごっつい楽しいですよね。
大﨑 はい、私ら失うもんありませんから(笑)。どういうんか、軽い気持ちでいろんな方と試合やって、やっぱり勝ったらうれしいですよね。
清水 実力を上げるのに、メンテナンスとか練習で工夫したりとかするんですか?
大﨑 相撲の白鵬が優勝インタビューで「誰よりも基本練習してる」言われてて。あんなすごい方が言われてましたから、「どのレベルまでいっても基本練習が大事なんやな」って思いましたね。基本練習やって試合やり、試合やって課題見つけて練習する、そのくり返し。
清水 今は、週にどれくらい練習を?
大﨑 今は2日にいっぺんはやってますよね。
清水 えっ、すごいですね!
大﨑 今は、毎日が日曜日ですからね(笑)。長時間はできないですけど、やっても2時間、3時間。神戸市に家があるんで、試合後は、垂水区のスーパー銭湯入ってね、体をほぐして、湿布貼ってね。
清水 どうして、そんなにテニスを続けられるんですか。
大﨑 楽しいからでしょうね。うち、家族も娘も息子も孫もテニスにしてますから。やっぱり、楽しいんでしょうね。うちの家内も若い時は、若い時はバレーボールしとったんですけど、社会人なってからテニス覚えてね。言うたら夫婦の絆はテニスやったんです。子どもが小さい時分には、子どもをばぁちゃんに預けて、家内とテニスに出かけるっていうこともしょっちゅうしおって。
清水 私も家族でテニスしたりしますよ。私はお遊びでしか硬式テニス、できないんですけど、まぁ、共通でできるって貴重ですよね。
大﨑 共通でできることがあったら、まぁ家族、和やかですわな。子どもが小さい時は、年末年始、グリーンピア三木で何泊かして家族そろってテニスしたり。家族の絆作るのにも、共通の趣味があるのはいいですよね。
清水 ワールドマスターズゲームズは、出るんですか?
大﨑 そうねぇ、申し込みしようと思ってます。なんや、「申し込みが1万5千円って、えらい高いなぁ」思ったんやけど、あれ、1万5千円で何種目か出られるんですね。
清水 そうです、1万5千円で5競技まで出られます。
大﨑 娘がイギリスに行って、で、向こうで結婚するいうから、私もしょっちゅうイギリス行ってましたけど、私もロンドンのテニスクラブに行ってね。で、一緒にテニスさせてもらいましたね。なんか、ひとつになって交流ができるいう経験させてもらいました。言葉は私、あまりできませんでしたが、テニスはお互い楽しみながらプレーできたというか。やっぱりよかったですね。
清水 ワールドマスターズゲームズでもいろんな国の人来ますから、とんでもないプレーする人もいるかもしれませんよね。
大﨑 プレーする前からビール飲む人もおるかも。
清水 長くスポーツを続けてきてよかったですか。
大﨑 えぇ、交流が広がったというのがいいですよね。北海道から九州、沖縄まで試合に出ましたけど、大会で「また会いましたな」っていうお友達ができる。今日試合したお相手もそうですけど、ゲーム終わったらお友達ですわ。
清水 健康はどうですか?
大﨑 テニスやってるおかげで、まぁ大した大病もなく、薬飲んでるものはあるけど、「どこが悪い」いうこともないし。実は、4月に妻を亡くしたんですけど、結局、夫婦のつながりはテニスだったんですよね。ふたりでテニスでよう遠征行ったりしてて。まぁ、闘病し出してからは、「遠征じゃなくて近くのテニス大会だけにしよう」とかで、具合悪い時は、試合中で棄権することも最後、あったんですが。
清水 でも、おふたりの合い言葉やったんですね。
大﨑 やっぱり亡くなってショックだったんですが、癒やされたんがやっぱり家族の存在であり、そしてテニスだったんですね。まだ妻を失って7ヵ月ですが、「大﨑さん、元気になられたねぇ」言われます。早く元気をもらいましたね。
清水 長く続けて来られてきて、テニスの友人もたくさんおられるでしょうし。
大﨑 「健康を保てる」いうのは、やっぱりテニスのおかげだと思うんです。テニスしたいから、自分の健康も気をつけるし。体は大事に、大事にしながらね。
取材・構成 兵庫県広報専門員 清水奈緒美